鉄のクレープパンで作る本格的なそば粉のガレット(大森由紀子先生インスタグラム連載①)

フランス各地を取材し、お菓子や料理を通してフランスの文化や歴史を、多くの雑誌で紹介している大森由紀子先生によるレシピ連載【フランス菓子と美味しい料理】が始まりました!


第1回は鉄のクレープパンで作る本格的なそば粉のガレット


皆さん、こんにちは。今回からデバイヤーの調理器具や型などでお料理やお菓子を作ってご紹介しますね。

第1回目は、クレープパンを使って、ブルターニュ発祥のそば粉のガレットを作りました。

ブルターニュ地方は、土地が肥沃ではなかったのでこれといった産物がなかったのですが、中世に十字軍(エルサレムの聖地を取り戻すためにアラブで戦った)が持ち帰ったそばが土地に合い、それ以来、そば粉のガレットを主食としてきました。その中でも、今回作ったガレット・コンプレートは、地元でも一番愛されているガレットです。コンプレートとは完璧と言う意味。卵、ハム、チーズを組み合わせれば最高にリッチなガレットになります。

★基本のガレット(直径16㎝、8枚分)
そば粉        80g
薄力粉        20g
塩        ひとつまみ
全卵          2個
牛乳        100㏄
水         100㏄
溶かしバター      適宜

① 基本のガレットをつくる。ボウルにそば粉と薄力粉を合わせてふるい入れ、塩、全卵、牛乳、水、を加えてホイッパーで混ぜる。ラップをかけて15分ほど休ませる。
② クレープパンを強火で熱し、溶かしバターを塗る。レードルで①を流し入れながらクレープパンを回すようにし、生地を薄く広げる。ちりめん状になって焼き色がついたら裏返して、さらに焼く。

★コンプレート
全卵         8個
ハム         8枚
溶けるチーズ     適量

*ガレットが焼けたら、ハムを乗せ、全卵を割って落とし、ふたをして少々火を通す。チーズをふりかけて完成。

上手に作るコツは、生地をクレープパンに流すとき、クレープパンをよく温めておき、パンをまわしながら生地を流して、チリチリっと歌ったら大成功です。クレープはちりめんという意味なので、見た目もそのように仕上げます。こちらのデバイヤーのクレープパンは、片手で持って回すのにちょうどいい重さですし、何より焼き色が美しいのが気に入っています。


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▼プロフィール
エートル・パティス・キュイジーヌ主宰
フランス菓子・料理研究家 大森 由紀子

学習院大学フランス文学科出身。
パリ国立銀行(現BNPParibas)東京支店を経て渡仏。
パリのル・コルドン・ブルーでフランス料理と菓子を習得。平行してレストランやパティスリーで研修。帰国後も20年以上に渡り毎年渡仏し、フランス全土を周って、人々とふれあいながら食文化や歴史を研究し、メディアや書籍などを通して日本に紹介。

自宅で料理・菓子教室を主宰しながら、企業のアドバイザー、コンクールの審査員などを務める。
著書多数。フランス政府より農事功労章
シュバリエ勲章を受勲。
産経新聞にてスイーツコラムを連載中。
伝統菓子を広める会「ガレット・デ・ロワクラブ」の理事でもある。
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